
WEBでの勉強会があり、私もそこで少しだけプレゼンをした。
その中で疑問に思う結果があり、そのことに触れたところ、参加していたエキスパートが、たちどころに解説してくれた。
その解説はわずか10秒ほどで、そこで使われた専門用語は五つほど。
だが、それぞれの定義を理解し、組み合わせて判断するには相当な知識が必要だった。
深いレベルで理解していれば、自分自身で解決できたはずだったということに、言われてみてはじめて気づいた。
情けなかった。
自分では “理解不能” なものとして片付けたかったのだが、実際には十分 “理解可能” だった。
その話を知り合いの病理医にしたら、「赤の女王仮説」を教えられた。
「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」
『鏡の国のアリス』に出てくる言葉だが、私に置き換えるなら、
「病理医を名乗る限り、医学知識をアップデートし続けなければならない」
ということになるだろうか。
先日あったクラス会で、勉強が大変で辛い、などと泣き言を言っていたが、勉強しないでの泣き言では、ただのポーズだ。
医者の知識は、そのまま患者さんの利益に結びつく。医者が医者であるには、全力で走り続けるほかない。
ある意味、走れなくなったら第一線からは退くべきということ。
まあ、恥をかきながらでも進歩できてよかったと考え、懲りずにしばらくは走り続けることにしよう。







