昨日、最高裁判所が、夫婦同姓を規定した民法は違憲ではないという判断をした。大法廷を構成した裁判官15人中、5人が違憲とし、3人の女性裁判官は全員が違憲としたそうだ。私はどちらでもいい派だがこれはおそらく、同姓にするに際しての男性としての様々な既得権があっての発想かも知れない。妻と娘は、女性の方が不利益が多いと感じているようだが、どちらがいいとは決めがたいようだ。テレビをみていたら女性のニュースキャスターが、視聴者からの、「あなたのところはどうしてますか?」との質問に対し、「私のところは夫が私のほうの姓にしています。」と答えていた。事情を知ってての質問だっただろうが、あえてこの質問に答えさせたNHKはたいしたものだと思った。

日本ではもともと夫婦別姓だったのだから昔に戻ってもいいじゃないかというが、それはごく限られた人達のことであり、多くの人に名字はなかった。だから、名字をつけるようになった頃にできた姓についての法律が伝統にそぐわないものとはいえない(明治8年の太政官令では別姓で、明治31年の民法から同姓)。今やっているNHKの朝ドラ(『朝がきた』)では、加野屋の人達はじめ、みんな名前(あさ、進次郎、雁助、喜助、ふゆ)で呼び合っている。名字があるのはお偉いさんばかりで、“様”付けだ。ドラマのどの辺からこの人達にも名前がつくのか判らないが、昔はこうだったのだろう。それに、家長制度の維持のために夫婦同姓を義務付け、それが今でも存続している、という意見は、上の女性キャスターの例を見たら通らない。

名字は人を細分化するためにあるものでしかないという考え方もできる。実際、ネットでしか社会と接点持たない人にとって名前など自分につけられた記号に過ぎない。マイナンバーとどこが違うというのだろう。この先、ますます少子化が進み、家、の存続が難しくなる。その時、夫婦別姓だと、1人か2人の数少ない子供は両親のどちらの姓を選んだらいいのかという議論も出てくるだろう。子供が4、5人いたら問題も少ないだろうが、それでも男女どちらかだけだったりしたら簡単ではない。これではもう、家に縛られているといえる。

このことに関しては、いろいろな意見がある。国際結婚はどうするとか考えはじめたら、決着がつくのは一体何年先になるかはわからない。だが、いずれ夫婦別姓は認められるだろう。私としては、その時、別姓であることが理由で不幸になる子供が出ないことを祈る。
○○家
女性裁判官は全員が「違憲」意見 夫婦同姓の合憲判決
12月16日 20:22 朝日新聞
「夫婦は同姓」「女性は離婚して6カ月間は再婚禁止」とする民法の規定は、憲法に違反しないか。明治時代から100年以上続く二つの規定について 最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)が16日の判決で、初の憲法判断を示した。いずれも国への賠償請求は退けたが、夫婦同姓については「合憲」と判断。 再婚禁止規定については100日を超える期間の部分を「違憲」とした。最高裁による違憲判断は戦後10例目。法務省は再婚禁止期間を100日とするよう全 国の自治体に通知し、即日実施。民法改正の作業も進める。 夫婦同姓を定めた民法750条の規定については、東京都内の事実婚の夫婦ら5人が2011年に提訴。国会が法改正を長年放置したため精神的苦痛を受けたとして、計600万円の損害賠償を求めていた。判決は、夫婦同姓の制度について「社会に定着しており、家族の姓を一つに定めることには合理性がある」と指摘。どちらの姓を選ぶかは当事者に委ねられており、性差別には当たらないと判断した。現実には妻が改姓することが多く、アイデンティティーの喪失感を抱くなどの不利益が特に近年増していることを認める一方、旧姓の通称使用が広まる ことで「一定程度は緩和できる」と指摘。夫婦同姓が、憲法の定める「個人の尊厳」や「男女の平等」に照らし、合理性を欠くとは認められないと結論づけた。 ただ、この判決が「選択的夫婦別姓が合理性がない、と判断したのではない」とも述べ、「この種の制度のあり方は国会で論じ、判断するものだ」と国会での議論を求めた。 結婚や家族の法制度を定めるにあたって、国会の裁量が及ぶ範囲にも言及。違憲とは言えない規定であっても、「実質的な平等」を実現していくため、 「その時々の国民生活の状況や、家族のあり方との関係から決めるべきで、伝統や社会状況を踏まえ、夫婦や親子関係を見据えた総合的な判断が必要だ」などと 提言した。 15人の裁判官のうち、10人の多数意見。5人が「違憲」とする反対意見を述べた。3人の女性裁判官は全員が「違憲」とした。
